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ハントンライスはんとんらいす

地域:石川県 

 ハントンライスとは金沢を中心に石川県で食される洋食メニューで、一見するとオムライスだが、薄焼き卵に白身魚などのフライが乗り、さらにタルタルソースがかかっているのが特徴だ。また中のご飯はケチャップライスが一般的だが、白ご飯や焼き飯のケースもある。さらにフライは、白身魚が一般的だがエビやトンカツのときもあるなど、明確な定義はないが、「卵」「フライ」「タルタルソース」は欠かせない。
 濃厚な味付けでボリューム満点の大衆食として古くから親しまれ、洋食店や食堂で提供されてきた。近年は旅行ガイドブック等に掲載され知名度が向上、さまざまな店で食すことができる。
 その変わった名称は、ハンガリーの“ハン”、フランス語でマグロを意味する“トン”からとったと言われる。発祥は昭和43(1968)年ごろと考えられ、とある企業が金沢市の中心部である片町にレストランを開店する際、料理長がオリジナルメニューとして考案したとされ、スクランブルエッグに魚のフライを乗せてタルタルソースをかけたハンガリーの家庭料理をベースに創作したと言われていたが、ハンガリーにこのような料理はなく、真相は謎のままである。
 最初に供された店で人気メニューとなり、その後同じ店で働いた同僚が独立するときやつきあいのある店などでも出されるようになった。主に金沢市内の飲食店で提供されているが、近年は加賀・能登エリアだけでなく富山県の一部でも食すことができる。どの店もオリジナルの味付けをしているので、一言でハントンライスといっても千差万別。食べ比べるのも楽しい。店によってはハントン“風”ライスと表記している。

ハントンライスが旬の時期

通年。

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