ホーム > 知られざる北陸の食 > 北陸の青果 > 熊川くず

熊川くずくまかわくず

地域:福井県 

 日本三大葛のひとつに数えられる若狭の熊川くず。熊川くずは、天保元(1830)年、江戸時代の儒学者頼山陽が病気の母への見舞品としてこれを送り、その手紙の中で「熊川は吉野よりほど上品にて、調理の功これあり候」と評したことでも知られている。
 熊川くずの原料となるのは、若狭湾へ注ぐ北川上流に自生する葛根である。この一帯は葛根の育成に適した土壌で、澱粉の純度が高い良質な葛根がとれる。
 掘り起こされた葛根は、何日も放置したり、雨や雪に当たると歩留りが落ちるため、洗わずに土が着いたまま線状になるまでたたき、谷を流れる水にひたす。その後、熊川の清流に晒す「寒晒し(かんざらし)」と呼ばれる作業が行われ、さらに不純物が取り除かれる。この作業を11月~3月の寒い時期に手作業で行い、清流に繰り返し晒すことで純白無垢な葛となる。
 手間暇かけてつくられる熊川くずは、まろやかな口当たりで上品な味わいだ。その葛を使った「くずまんじゅう」は、夏の風物詩となっている。また葛には疲労回復や風邪に効能があり、その昔熊川には葛が「常備薬」としてどの家にも備えられていたそうだ。

熊川くずが旬の時期

通年。

お問い合わせ

熊川くず生産組合 0770-62-0191

ページの先頭へ