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柚餅子ゆべし

地域:石川県 

 柚子の皮をそのまま使い中に餅をつめた菓子で、石川県輪島市で作られている。全国で製造される柚餅子の中でも、輪島産のものは柚子を丸ごと一つ使うので「丸柚餅子」と呼ばれ、甘く味つけされた菓子として珍重されている。
 約4カ月かけて、冬場にだけ生産する。秋に収穫した大粒の柚子の中身を竹べらで丁寧にくりぬき、皮だけにする。そして皮の中に店ごとに違う秘伝の材料と餅を合わせたものを詰め、せいろで蒸す。自然乾燥させたあと、再び蒸す作業を20~30回ほど、柚子の皮があめ色になるまで繰り返せばようやく完成という手間ひまかかった逸品だ。
 柚子の苦みと適度な甘みが特徴で、お茶請けはもちろん、洋酒のつまみとしても人気がある。固くなっても蒸したり炭火であぶったりするなど加熱すれば元通り柔らかくなり、おいしくいただける。ほかにも、千切りにして茶碗蒸しや吸い物に入れれば、豊かな柚子の香りを楽しめる。
 古書に記された、果実をくりぬいて餅類を中に入れるという菓子をヒントに、約200年前に考案されたという説がある。ほかにも、源平合戦で敗れて能登に逃れた平時忠によって伝えられたという伝承がある。
 当初は携帯食として輪島塗の行商人らが使っていたが、明治期に砂糖の入手が容易になると菓子に変化した。さらに、製造方法も研究されており、常温で約1カ月、冷蔵なら約1年間にわたって保存できる。

柚餅子が旬の時期

通年。

お問い合わせ

輪島市観光課 0768-23-1146

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