江戸彼岸
300種類を超えると言われるさくらの品種のなかでも、野生種はわずか11種類しかありません。
その11種類のうち、北陸地方には過半数の7種類も自生していて、その種類の多さが北陸はさくら王国と呼ばれるゆえんでもあります。
生育分布域が西日本と東日本ではっきりと分かれるヤマザクラとオオヤマザクラでは、その境がちょうど北陸地方であり、ここではその両方のさくらを見ることができるんです。なんてラッキーなんでしょう!(ま、その違いを見分けるのは素人には難しい)。
さて、野生種のさくらの中で、樹齢1000年を超える巨樹がいくつも存在することで知られるのがエドヒガン。ソメイヨシノはこのさくらとオオシマザクラの交配によってできたもので、つまりエドヒガンはソメイヨシノの親でもあります。
別名、姥彼岸桜ともいわれ、葉が出るより先に花が咲く、つまり「歯なし」の彼岸桜からこのような名前がついたとか。
樹齢2000年といわれる山梨県の神代桜(日本三大巨桜の1つ)や、岐阜県の「薄墨桜」(日本三大巨桜の1つ)やダムで水没する運命から奇跡的に生還した「荘川桜」などがよく知られています。
このさくら、北陸ではちょっと不思議な分布をしています。
それは、富山県と福井県では里山などに自生している馴染みあるさくらであるにもかかわらず、なぜか石川県では自生しているものが発見されていないそうです。
この三県では気候も土壌も大きく変わらないと思われるし、実際人間が植えたエドヒガンは石川県でも元気に育っているのに……。ちょっと不思議な話ですね。
エドヒガンの花の見頃はソメイヨシノとほぼ同じか少し早いです。 樹形がよく、「一本桜」や「名桜」として人気の桜も各地にあります。
※自然人ブログより転載。内容は2010年3月現在のものです。
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