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街なか自然ウォーク 富山編 近代的な街の中にしっかりと息づく大自然

取材=菊池文宏 ナビゲーター=大野博美◎富山県自然解説員

水辺空間と景観を大切にした親水公園

 富山駅北口近くに、ぽっかりと大きく空に開け放たれた空間がある。富山県富岩運河環水公園で、9.7haの親水公園。かつての船だまりだった運河跡。駅から7~800mと近く、駐車場もある。


富岩運河は街なかにある水と緑のオアシスだ

 公園のシンボルは天門橋、橋長58mで、橋の両側に展望塔がある。ビルの上から立山連峰がのぞく。公園には、古木の桜並木が残され、高木、低木も植林されていて、植物園のようになっている。島もあり、水生生物も楽しめる。野鳥観察舎から望遠鏡で、コガモ、カイツブリなどの野鳥観察ができる。

 公園から中島閘門までは約1.8km。運河沿いの両岸に緑地の遊歩道があり、4つの橋をくぐりながら歩く。ところどころに水を活用したオブジェが現れる。

公園のシンボルの天門橋。
展望塔からは立山連峰の眺めが素晴らしい

富岩運河沿いに中島閘門まで、約1.8km続く散策路

 おすすめは左岸で、コナラ、ミズナラ、マテバシイなどの里山の趣が続く。ハンゲショウなど湿地の草花もあり、季節ごとに花木が楽しめるようになっている。運河は満々と水をたたえ、カルガモ、ヒドリガモが泳いでいる。正面に古い建物が見えると、これが中島閘門。パナマ運河方式で、国指定重要文化財。

 すぐ戻る場合は、そばの神通川河川敷の遊歩道から。途中、神通川河原植物園がある。自生植物の保護を目的に希少種など約100種類もの植物を集めた植物園。いたち川水門のところから環水公園へ。

 中島閘門から馬場記念公園へ向かう。右岸に渡り、すぐ下流の国道8号線の赤い橋手前で右折し、岩瀬街道に出て約1.5kmのところにある。途中、道は富山ライトレールと平行する。

 公園は蓮町駅前にある。スズカケノキの大木がある美しい公園で、梅林もあり、キビタキ、オオルリなど野鳥観察にも人気の場所。

 蓮町駅から話題の電車ポートラムで戻ってくるのも、古い町並みを残す岩瀬に寄ってみるのもいい。

呉羽山の麓の都市緑化植物園

 呉羽山は、富山平野の中央に南北になだらかにのびる呉羽山丘陵の北側の山。標高76.8m、山頂を中心に一帯が公園として整備されている。富山駅から約2.5kmと近いが、豊かな自然が残っている。

 その西側(高岡方面)の麓、県立図書館の横に、丘陵の傾斜や水路などの自然を生かした呉羽山公園・都市緑化植物園がある(一部整備中)。


呉羽山公園・都市緑化植物園

大きな池があり、散策路や憩いの施設などもある。珍しいエドヒガンの群生が残されており、ツバキ、コブシ、ダンコウバイなども植栽されている。柿や茶の産地だった名残も一部残されている。


里山の佇まいを残す富山市民俗民芸村

 ここから山道を5分ほど上れば尾根散策路。すぐそばに展望台があり、立山連峰を背景に市街地を一望できる絶好の地。

 反対側(富山駅側)に下れば、麓に、民芸館などのある富山市民俗民芸村や、五百羅漢で知られる長慶寺がある。

桜並木に名物橋と彫刻の松川

 街のど真ん中、富山市役所(地上70mの展望台あり)や県庁(花時計あり)と富山城址公園や繁華街の間を流れる松川は、桜橋付近から布瀬橋までの約2.6km。両岸に沿って約560本のソメイヨシノが並ぶ、富山県内有数の桜の名所。


満開の桜の下、遊覧船が行き交う松川

 開花期にはライトアップされ、遊覧船も運航される。満開の桜のトンネルの下を川舟が行き交う風景は、富山の春の風物詩。松川まで富山駅からは600mほど。


川辺を散策しながら彫刻
鑑賞も楽しめる

 松川べりは彫刻公園としても整備され、辻志郎氏ほか28作品が設置されており、目を和ませてくれる。

 松川には、桜橋、舟橋など9つの大橋がある。昔の川舟を繋いでかけられた橋の形を取り入れた橋など、それぞれデザインも工夫されていて趣がある。

富山市の街歩きの問い合わせ

富山市観光振興課

電話番号 076(443)2072

※記載されている情報は2009年1月現在のものです

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