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【福井県】
龍双ヶ滝(池田町)

日本の滝百選に選ばれた繊細で優美な滝
龍双ヶ滝(りゅうそうがたき)【福井県池田町】

迫力はあまりない分、優雅さと繊細さが光ります

文と写真=吉澤 康暢(元福井市自然史博物館 特別館長)

優雅に落ちる滝水が魅力たっぷり

龍双ヶ滝は福井県では唯一「日本の滝百選」にも選ばれた、一見の価値がある滝です。細かい幾本もの流水が黒い岩肌をスダレのように伝って流れ落ちる様は壮観です。足羽川(あすわがわ)中流の松ヶ谷から部子川(へこがわ)をさかのぼり、宝慶寺(ほうきょうじ)に至る稗田(ひえだ)川沿いの県道の途中にあります。この滝は、稗田川支流の高さ60mの崖から流れ落ち、夏でも暑さ知らずの場所。滝が流れ落ちる岩盤は、約2000万年以上前、日本海が誕生する頃に噴出した安山岩質の凝灰角礫岩や角礫状溶岩などからできています。


岩肌をスダレのように伝ってそのまま川に落ちる滝。伝説のような深い滝壺は見当たりません

滝の成因としては、滝を形成する岩石が周囲のものに比べて硬い岩質であるため、流水の侵食作用に耐えていることと、稗田川本流の侵食がより早く進行しているためと考えられます。また、滝面に表れている細かいひだ状の段模様は、凝灰角礫岩などが堆積したときの堆積面が侵食により浮き出しているものと考えられます。
昔ここに龍双という僧が住み、神仏像を彫刻して一念行願をしたという伝説や、深い滝壺に住む龍が昇天のために時おり滝登りをしたという伝説など、古い言い伝えが残っています。
龍双ヶ滝の下流500m付近の川底には、小さな滝とともに、岩盤上に空いた甌穴(おうけつ※ポットホールとも)群が見られます。これは、岩盤のへこみに入り込んだ小さな礫が流水の働きで回転することにより、長い年月をかけて削られてできたものと考えられています。

滝が流れ落ちる岩盤は約2000万年以上前にできた古いもの

下流の甌穴群。岩盤に半球状のくぼみが連なります

アクセスとメモ

北陸自動車道鯖江ICから車で約60分。池田町と大野市を結ぶ県道松ヶ谷宝慶寺大野線は途中から道幅が狭くなり、また足羽川ダムの工事も行っているため通行には注意が必要(冬季通行止め)。
池田町方面から入った場合、滝の手前100mほどの場所に15台程度の、また滝を過ぎて50mほど行った場所に5台程度の駐車場がある。
滝の周囲には何もないが、池田町の国道沿いには名物のそばや山の恵みを出す店が点在する。

お問い合わせ
池田町農村政策課(観光推進室) TEL:0778-44-8210

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