ホーム > 特集 > 季節の特集 富山・石川・福井「博物館でお宝発見!」 > 福井県でお宝発見

福井県でお宝発見

数万年間の気候変動の歴史を解読する手がかり
水月湖(すいげつこ)の年縞【福井県年縞博物館】

大野藩主が海外から購入した十九世紀中期の地球儀
英国ロンドンBETTS社製の折り畳み式地球儀【大野市歴史博物館】

暦の版木を再利用した細工物
煙草盆【おおい町暦会館】

※本文や施設情報は2011年秋発行の「自然人」第30号に掲載された内容をベースに、2019年11月現在の最新情報を反映するなど、一部改訂しています。

数万年間の気候変動の歴史を解読する手がかり
水月湖(すいげつこ)の年縞【福井県年縞博物館】

白と黒の縞模様がはっきりとわかります

若狭町の水月湖には、底に積もった土がつくる縞模様があります。これは年縞といって、1年につき白黒1層ずつの縞模様でできています。木の年輪と同じように数えることができ、水月湖は連続約7万年間に及びます。

年縞には、黒い層と白い層が交互に現れます。黒い層は、春先から夏にかけて湖に増えたプランクトンの死骸などが積もったもので、白い層は、秋から冬にかけて積もった泥や大陸から飛来した黄砂などです。水月湖の年縞は波や洪水などで湖の底土が乱されず、静かに積もり続けることでできるのです。

年縞を1枚1枚数えることで、その土が何年前に積もったのかがわかります。例えば上から5000枚目の年縞は、5000年前の土ということになります。また、年縞に含まれる花粉や火山灰(上記画像②の層)、崩れた土(同①の層)などから、過去の気候変動や自然環境、地震のことなどがわかります。
(文/小島 秀彰・若狭三方縄文博物館学芸員、北川 淳子・福井県年縞博物館学芸員)

平成30(2018)年9月には福井県年縞博物館が開館しました。約7万年間、45mに及ぶ実物コア資料を見ることができます。

福井県年縞博物館

HP http://varve-museum.pref.fukui.lg.jp/
住所 福井県三方上中郡若狭町鳥浜122-12-1 縄文ロマンパーク内
電話番号 0770-45-0456
開館 9:00~17:00
休館日 毎週火曜日、年末年始
入館料 一般500円、若狭三方縄文博物館との共通観覧券一般700円
交通 三方五湖スマートICから車5分

大野藩主が海外から購入した十九世紀中期の地球儀
英国ロンドンBETTS社製の折り畳み式地球儀【大野市歴史博物館】

組み立てた地球儀

幕末、大野藩主土井利忠を祀る柳廼社神庫(やなぎのやしろしんこ)の土井家私用品を収納した「開かずの長持」に公開されることなく保管伝来したため、良好な保存状態を保ったまま、現在公開されています。

製作年代は樺太と間宮海峡の明示、ロシアとの国境の色別区分、「エド」「ミヤコ」などの地名、中露国境線の位置などから推定されます。

洋学を藩校にとり入れ、藩政改革を推進した利忠の遺品には、この他、電気治療器エレキテル、遠眼鏡(当時の望遠鏡)、アネロイド気圧計があり、大野藩が建造したスクナー型洋式帆船「大野丸」の使用品といわれています。

調査された宇都宮陽二朗氏(前三重大学教授)によれば、当時の舶来地球儀は入手難で国内現有品は本品が唯一で、世界でも10基程度といわれています。
(文/岩井 孝樹・同館元館長)

地球儀に記された当時の日本

大野市歴史博物館

住所 福井県大野市天神2-4
電話番号 0779-65-5520
開館 9:00〜16:00
休館日 年末年始、館内整理期間
入館料 一般200円
交通 大野ICから車約10分

暦の版木を再利用した細工物
煙草盆【おおい町暦会館】

煙草盆と版木

鎌倉時代になると武士の勃興によって、暦の需要が急激に高まり、これまでの筆写による方法では応じきれなくなりました。そこで登場したのが版暦で、この印刷にあたっては、経典類の印刷技術や経験が活用されたものと考えられます。

こういった版木は一年で不要となるので、薪などに再利用されたほか、小箱や煙草盆などの細工物としていました。ここに展示されているものは、嘉永4(1851)年の版木で作った煙草盆です。
(文/谷川 泰信・同館館長)

版木によって印刷された暦の例

おおい町暦会館

HP https://ooi-koyomi.info/
住所 福井県大飯郡おおい町名田庄納田終111-7
電話番号 0770-67-2876
開館 9:00~16:30(最終入館は16:00まで)
休館日 毎週水曜日、年末年始
入館料 一般200円
交通 大飯高浜ICから車約30分

ページの先頭へ