JHS認定上級ハーブインストラクター:鯉野 叔子
今回は、春の訪れとともに、野原や道端に黄色い花を咲かせる身近なハーブ、ダンデライオンを取り上げます。
ダンデライオンってどんなハーブ?
日本に自生した在来種とは別の種類で、明治時代に「食用タンポポ」として導入されたものです。
ギザギザの鋸歯のような歯が「ライオンの歯草」の語源です。
花、歯、根と全草使えて、肝臓や胆のうの機能を高め、薬用・食用と幅広く利用できるハーブです。
【ダンデライオン/ダンデリオン】
■キク科・多年草
■和名/西洋タンポポ
■原産地/ヨーロッパ、北アジア
■耐寒性
■種まき(繁殖力が旺盛)
ダンデライオンの楽しみ方
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タンポポサラダ
ビタミン、ミネラル、カリウムを含む若葉を摘み取ってサラダを作りましょう。
作り方はハーブクッキングを参考に。 タンポポの天ぷら
若葉を生のまま天ぷらにします。
タンポポのおひたし、油いため
ひとつまみの塩を入れた熱湯の中でアクを抜き、数時間水にひたして料理します。
タンポポ酒
採取した根を水洗いし、水気を取ってからホワイトリカーに10日ほど漬け込み、3ヵ月ぐらい熟成させてお飲みください。
タンポポの入浴剤
生の葉をお鍋で煮出してお風呂へ。ハンドバスやフットバスにも使えます。
タンポポコーヒーの作り方
- 採取した根の泥を落として、きれいに水洗いします。
- 根はやわらかいうちに1~2センチの長さにカットし、天日乾燥します(約半分ぐらいの重さになるまで乾燥させてください)。
オーブンの余熱を利用してから天日乾燥させてもいいでしょう。 - 乾燥させた根はお鍋(煎り器など)で香りが出るまで弱火で煎ります。
- 小さじ一杯を一人分としてティーポットに入れ、4~5分蒸してからお飲みください。懐かしい香りが漂います。色と苦みはまさにコーヒーです。ノンカフェインなので、胃腸の弱い方にもおすすめです。
チコリ※やキャロブ※とブレンドしてもおいしいハーブコーヒーになります。
また、フェンネルシードとブレンドしたティーは授乳期の若いおかあさんに。母乳の出をよくし、便秘の予防になります。
※チコリ(キクニガナ)
根を煎ってコーヒーに入れると刺激が中和されます。
※キャロブ(イナゴマメ)
チョコレートの香味として商品に利用されています。
こいの・よしこ
東京都生まれ。ジャパン・ハーブ・ソサエティー(JHS)認定上級ハーブインストラクター。JHS認定指導者養成校主宰。英国園芸療法日本校認定講師。ハーブ工房のむぎ代表。
金沢の自宅近くの休耕田を利用してオーガニック・ハーブを栽培し、エコロジーな暮らしを実践している。