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旬産旬食「大根」を味わおう

環境カウンセラー/青海万里子 (料理案)金沢エコライフくらぶ/椿下佳子

ひとくちメモ…北陸の大根

福井産:勢浜大根(辛味大根) 石川産:総太大根、源助大根 富山産:新川大根など

各地各様の大根

全国各地には、それぞれの地域の名を冠した大根があります。私は関東で生まれ育ったので、練馬大根や三浦大根が身近にありました。金沢に来て、おでんやふろふき大根など煮物に適した源助大根を知りました。福井にはおろしそばに適した勢浜大根があります。

大根役者とはヘタな役者のことを言うそうですが、それは大根に失礼というもの。むしろどんな役でもこなす、いまで言うカメレオン役者こそ大根の真骨頂、という気がします。

アブラナ科の特性で、気温変化や土地への適応力が優れているため、なんと100種類以上の品種が確認されているそうです。気候風土に合い、それぞれの郷土料理に適した大根が各地で生まれ根付いてきたのだと思います。

種の多様性

近年は品種が画一化される傾向があり、80年頃から全国各地に広まった青首大根は、いまや大根の代名詞になった感があります。その陰で、その土地特有の大根種が栽培されなくなって消えていくのは忍びがたいことです。

折しも2010年10月には生物多様性条約締結国会議COP10が名古屋市で開催され、クロージングが石川県で行われます。この会議は野生生物の保全だけを議論するわけではなく、栽培種の多様性も大切なテーマになります。

温暖化による気候変動が急激に進みつつあるいま、各地に残る大根は固有種として生物多様性の大切なシードバンク(種の銀行)になるかもしれません。

一物全体

マクロビオティックの用語に身土不二と一物全体という言葉があります。身土不二は身体と土は二つではない、私の身体はその土地でとれた作物からできている、という意味です。一物全体とは、大根は葉と根全体を食してこそ大根全体の生命をいただくことができる、という考え方です。


キッチンの窓辺でグリーンを楽しんだ後は、葉は味噌汁の浮き実に

大根は葉を切り落とされて店頭に並んでいることが多く、今回の撮影ではお店にお願いして、生産者に葉付きのまま納品していただきました。お願いできたということは、消費者が望めば葉付き大根を買うことができるということです。葉を落とすのは、箱に入れる都合、遠距離を移送するための鮮度保持など流通の事情が主な要因ですが、一方で消費者の要望で切ってもらうことも多いと聞きます。

生産者が丹精した作物を、まるごと手に入れて残さず調理する、食べ物全般の一物全体を取り戻すことが、いま大切に思えてなりません。

※[マクロビオティック]
桜井如一氏が提唱しパリ、アメリカを経て日本に逆輸入された、大きな視点で生命を見つめ、自然と調和しながら生活する食事法。

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