2016年09月16日[金]　～10月23日[日]　

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京都の美術印刷の老舗である便利堂は、日本のコロタイプ印刷の草分けで、現在に至るまでその伝統と技術を受け継いでいます。自然な濃淡の階調で写真の再現性に優れたこの技法は、明治の絵葉書、美術図書などに用いられてきました。便利堂の技術と文化財に対する高い意識は、昭和10年（1935）に奈良・法隆寺金堂の壁画を原寸で撮影し、壁画が焼損した折には焼損前の姿をコロタイプ版の活用で復元することにも貢献しました。当時の写真原板とガラス原板は平成27年度国重要文化財指定を受けています。
　本展は、《法隆寺金堂壁画12面》をはじめとする便利堂の文化財事業への歴史的貢献と、《鳥獣人物戯画（甲巻）》《伴大納言絵巻》など、未来へ守り継がれるべき国宝や重要文化財の現代における複製品の幅広い楽しみ方を紹介し、美術印刷の歴史とともに歩んできたコロタイプ印刷の魅力を再発見します。